みなさんこんにちは!
はる歯科診療室 歯科技工士の網谷です
近年、高齢者の誤嚥による事故が増えているのをご存知でしょうか?
餅やゼリーなど、食べ物がうまく飲み込めず、窒息してしまう事故です:;(∩´﹏`∩);:
交通事故よりも、この誤嚥による事故の死亡者の方が増えているといいます。
また、高齢者の肺炎患者の80%が誤嚥性肺炎ともいわれています。
その原因のひとつに、高齢者の口腔機能が低下していることがあげられます。
長い期間通院している患者さんが高齢になり、今まで綺麗に歯磨きが出来ていたのに、だんだんと磨き残しが多く見かけられることもあります
原因は、握力が落ち、歯ブラシを握る力が低下してしまい、細かいところまで磨けなくなってしまったことも原因だと考えられます
唾液の量も減ってしまうと、口腔内が乾燥して汚れも固く落ちにくくなります。 口唇や舌も乾燥し、舌苔という舌についた汚れも目立つようになります。
また、歯磨き自体を忘れてしまったり、義歯を洗い忘れるなどの変化も見られます。
顔や口周りの筋肉も衰えると、口呼吸をするようになったり、咀嚼する筋力も低下します。 咀嚼する運動が低下すると、「噛む」よりも「すり潰す」動きが多くなります。
そうなると、歯は磨耗し、すり減ってしまいます。
繊維質の多い食べ物が食べにくくなり、細かく砕く前に飲み込んでしまうと、喉に詰まって窒息のリスクも高まります。
うまく咀嚼する筋肉を使えなくなると、頬粘膜を噛みやすくなったり、舌や口唇の筋肉も低下すると滑舌も悪くなります。
舌の筋力が減ると、舌は喉の方に落ち込み、 気道を狭くしてしまい、就寝中の「いびき」の原因にもなります。 舌
は、物を飲み込むときにも機能します。
物を飲み込むときは、舌は上顎に上がり、喉の方へと物を運ぶ役割をします。
舌が上手く機能しないと、飲み込みにくくなります。
食道に飲み込めずに気管に入ってしまうと、咳き込んだり、また誤嚥性肺炎の原因にもなります。
このように、高齢化することでお口の周りも変化し、生活のいろいろな面で困難なことが増えてしまいます。
このような症状を口腔機能低下症といいます。
ただ口の中が乾きやすくなっただけでしょ、とか、滑舌が悪くなっただけでしょ、と思われるのではないでしょうか?
口の中の機能が低下することは、決して軽く見てはいけません
歯が悪くなると、噛み応えのあるものが食べられなくなり、柔らかい炭水化物を多く摂る様になります。
タンパク質を多く含む肉を食べなくなり、ひいては筋力が減り、体力も弱っていきます。
筋肉が落ちると日常的な動作に支障をきたし、歩いたり、階段を上るのが辛くなり、外出もさらに減っていきます。
このように、お口が弱ってくることは、全身が弱ってくることに直結し、日常生活に支障をきたしてしまいかねないのです。
口の中の機能低下があまりに進行してしまうと、もはや元に戻ることはできません。
口腔機能低下症は自分が気が付かないうちに進行します。 口腔内の変化が見られる場合に検査を行い、現状を知ることも大切です。
50歳以上の方で、咀嚼機能の低下、咬合力の低下、舌圧の低下、の症状が見られる方は検査をした方が良いかもしれません
たくさんの検査項目がありますが、実際に当院で行っている検査の様子を紹介します。
︎口腔衛生不良 ・舌苔付着程度 →舌の汚れが付いている度合いを見ます。
︎口腔乾燥 ・口腔粘膜湿潤度 →口腔水分計で舌の湿潤度を測ります。
︎舌口唇運動機能低下 ・オーラルディアドコキネシス →「パ」「タ」「カ」をそれぞれ5秒間、何回言えるか測定します。
︎低舌圧 ・舌圧検査 →舌圧測定器を使って検査します。
風船のように膨らんで装置をお口の中に入れて、舌と上顎に挟んで潰すように力を入れると舌圧を測定できます。
これらの検査で低下が見られる場合、「口腔機能低下症」と診断されます。
実際の様子はこちらの動画でご確認ください
☟☟☟
https://youtu.be/RrsnJNQMoEU?si=xLxcdUJweXJ3VdQZ
改善する方法は、お口の周りの筋力を上げるようなトレーニングをすることです。
・空のペットボトルを吸って凹ませたり、強く息を吹き込み膨らませる(1日3回)
→口唇の力と、肺活量を増やして肺に誤嚥したものを吐き出す力がアップします。
・口を閉じた状態で舌を歯に沿わせてゆっくり回す(右10回、左10回を1セットとして1日3セット)
→唾液の分泌量が増えたり、舌や頬を噛みにくくなります。
・大きく「あ・い・う・べ〜」体操(1日30回)
→口周りや舌の筋肉を鍛えて、滑舌が良くなったり、ほうれい線が薄くなります。
こちらのパタカラ体操もおすすめです(^^)
☟☟☟
https://youtu.be/VlMdBDjkwdE?si=FoIXUQIm_h-U3dbn 検
査も大切ですが、咀嚼機能、舌や口の筋力の低下を予防し、対策をすることが1番大切です
歯が残っていても舌の力、唾液量などお口の機能が衰えていると食事がうまくできないことがあります。
歯がある食べられるとは限らないのです
歯があっても食べる機能が低下していると、かための食事がとりにくくなり、たんぱく質や食物繊維などが不足し栄養が偏りやすくなります。
「食べ物が噛みづらい・飲み込みにくい」「お口の中が乾く」といったことでお困りの場合はますばお気軽にご相談ください︎
ご予約のお電話は
087-833-6480
高松市西町 13-31
はる歯科診療室